錯綜するフィルムカメラ業界2006年01月18日 18:00

Carl ZeissのニコンFマウント対応レンズ群
先日1月11日にニコンがフィルムカメラ界からの事実上撤退を表明したことはこのブログでも紹介した。キャノンやペンタックスなどに比べてニコンはカメラの趣味的要素を尊重する会社、それはオートフォーカシングの精度がかなり高くなった今日でもマニュアルカメラを作り続けていることからも伺える。実際それは多方面でも高く評価され、ニコンのマニュアル機Nikon FM3Aなどは「写真を撮る楽しさがカメラ操作を通じて体感できる、現在では希少となったマニュアルフォーカス一眼レフカメラ。」を理由にカメラグランプリ2002 カメラ記者クラブ特別賞も受賞している。そのニコンがキャノンよりも先手を打った。このニコンによるフィルムカメラ界撤退はそれだけに衝撃的だった。

ところが、これに逆行する動きも出ているから面白い。ドイツの老舗レンズメーカー、Carl Zeissがニコンカメラが採用しているFマウント対応のレンズ群を本日1月18日付けで発表したのだ。しかも最初に投入されるのはマニュアルレンズ。Carl Zeissは日本ではコシナという会社が代理店をやっており、このコシナとCarl Zeissの共同開発で昨年末Zeiss Ikonというレンジファインダーカメラが復刻したばかりである。Zeissレンズはその描写力に定評があり、高価な価格ながら根強いファンがいる。しかし、ニコンのFマウントに対応していなかったため、ニコンカメラで使用することはできなかった。ところがそのZeissレンズをニコンカメラで使用できるようになる。しかも英文によればニコンの同じクラスのレンズと競合する価格帯でのリリースとなるらしい。これは明らかにニコンカメラがまた盛り上がる材料となる。発売開始は春ということだが非常に興味をそそられる内容だ。

もちろんZeissレンズはデジタルカメラでも使用可能だが、35mm対応である点(ニコンのデジタルカメラに35mmフルサイズ対応のものはない)、それから現時点ではマニュアルしか出ない点(写真ではデジタル専用も開発中のようだが)から考えると、明らかにフィルムカメラ界を狙ったものだろう。ニコンがマニュアル機Nikon FM3Aの生産完了を宣言し、実際はコシナのOEM生産となるNikon FM10のみマニュアルとして継続するという流れとは明らかに逆行する流れが生み出されそうだ。個人的には、再度ニコンがフィルムカメラ界に力を注いでくれることを望みたい。